2011年08月18日
ビビレバビレブ
私が教師をしていたころの話です。
生徒の中に霊感が強いと言われていた当時19歳の女の子がいた。
これがまた、おとなしくとてもまじめな子であった。
ある夏の日、いつものように授業を始めようとしたら、
その彼女が、なんか壁にもたれかかったまま席につかないのだ。
ここは貸しビルの最上階の6F。
50人ほどの生徒が広いワンフロアーで一緒に授業を受けていた。
その出口側の白い壁にもたれていたのだ。
「どうしたんや?」
「先生、なんか壁に引かれるんです」「・・?」
その場はなんとか席に着かせ、とりあえず授業を始めた。
昼も過ぎ午後の授業も終わりかけた頃、
突然外の廊下から「きゃ~」という叫び声がした。
何事かとあわてて廊下に出た私の前に
「先生助けて~誰かに上に引っ張られる~」と
悲壮な顔をして涙ながらに叫んでいる彼女がいた。
6Fから屋上に上がる細い階段の途中だ。
私も状況がつかめなかったが、あわてて彼女の手をつかみ
「なんや、どないしたんや、なんや、なんや」と必死だった。
生徒たちも続々と教室から出てきた。
なんでも、ここには3人の霊がいてその人達が屋上から呼ぶのだという
今日の朝、壁にもたれていた頃からそういう気がしていたと言うのだ。
まじで・・・・うそやろ・・・・
しばらくして彼女も落ち着いたのだが、
ザワザワと生徒達も動揺しているようだし、
授業も終わりかけていたので、
「とりあえず、今日の授業はここまで」と他の教師も生徒も帰らせた。
そして責任者の私は動揺していた彼女を家まで送ることにした。
その帰り道のこと
「私、霊は見たらわかるんです」
「見たらわかる? どういうこと?」
「あっあの人霊だなと思ったら通りすがりにその人が「ようわかったな」と耳元で言うんです」
「ふ~ん・・・・・・・」
ひょぇ~~~
君は稲川淳二か・・・・・・などと突っ込めるわけもなく
ゾクッ・・・・・・ビビレバビレブだ
彼女を家に送り、彼女の母親に今日の事を説明すると
「先生わざわざありがとうございます。
でも気にしないで下さい、この子は霊感が強くよくあることですので」
「はあ・・・・・」
もう夜9時を回っていた。
なんと明日の授業の準備もしていないし、
ほったらかしで教室を閉めたので、戻らなければならなかった。
いやや・・・戻りたくない・・・
大人げないわがままボーイの一面が顔をのぞかせた。
もう誰もいないビル。
霊感感知能力0%の俺もさすがに怖い。
とりあえず大声で
「とうりゃ~、そうりゃ~、ほんじゃ~、えいや~」
などとわけのわからん奇声を発しながらエレベーターに乗り
「とうりゃ~、てめ~、きてみ~、えいや~、おうりゃ~」
などと奇声を発しながらそそくさと退散したのだった。
次の日。 昨日の今日なので生徒達の動揺を抑えようと
「まあ昨日のことやけど、
霊なんていうのは感じる人には感じるのだろうがそうでない人は・・」
「先生、おれんち、お爺ちゃん霊がいつもいはるで」
「私も昨日なんかおかしいなと感じててん」
「先生大丈夫やって」
なんや・・・そない動揺することもなく普通に受け入れていた。
どうやら一番動揺してたのは俺のようだった。
生徒の中に霊感が強いと言われていた当時19歳の女の子がいた。
これがまた、おとなしくとてもまじめな子であった。
ある夏の日、いつものように授業を始めようとしたら、
その彼女が、なんか壁にもたれかかったまま席につかないのだ。
ここは貸しビルの最上階の6F。
50人ほどの生徒が広いワンフロアーで一緒に授業を受けていた。
その出口側の白い壁にもたれていたのだ。
「どうしたんや?」
「先生、なんか壁に引かれるんです」「・・?」
その場はなんとか席に着かせ、とりあえず授業を始めた。
昼も過ぎ午後の授業も終わりかけた頃、
突然外の廊下から「きゃ~」という叫び声がした。
何事かとあわてて廊下に出た私の前に
「先生助けて~誰かに上に引っ張られる~」と
悲壮な顔をして涙ながらに叫んでいる彼女がいた。
6Fから屋上に上がる細い階段の途中だ。
私も状況がつかめなかったが、あわてて彼女の手をつかみ
「なんや、どないしたんや、なんや、なんや」と必死だった。
生徒たちも続々と教室から出てきた。
なんでも、ここには3人の霊がいてその人達が屋上から呼ぶのだという
今日の朝、壁にもたれていた頃からそういう気がしていたと言うのだ。
まじで・・・・うそやろ・・・・
しばらくして彼女も落ち着いたのだが、
ザワザワと生徒達も動揺しているようだし、
授業も終わりかけていたので、
「とりあえず、今日の授業はここまで」と他の教師も生徒も帰らせた。
そして責任者の私は動揺していた彼女を家まで送ることにした。
その帰り道のこと
「私、霊は見たらわかるんです」
「見たらわかる? どういうこと?」
「あっあの人霊だなと思ったら通りすがりにその人が「ようわかったな」と耳元で言うんです」
「ふ~ん・・・・・・・」
ひょぇ~~~
君は稲川淳二か・・・・・・などと突っ込めるわけもなく
ゾクッ・・・・・・ビビレバビレブだ
彼女を家に送り、彼女の母親に今日の事を説明すると
「先生わざわざありがとうございます。
でも気にしないで下さい、この子は霊感が強くよくあることですので」
「はあ・・・・・」
もう夜9時を回っていた。
なんと明日の授業の準備もしていないし、
ほったらかしで教室を閉めたので、戻らなければならなかった。
いやや・・・戻りたくない・・・
大人げないわがままボーイの一面が顔をのぞかせた。
もう誰もいないビル。
霊感感知能力0%の俺もさすがに怖い。
とりあえず大声で
「とうりゃ~、そうりゃ~、ほんじゃ~、えいや~」
などとわけのわからん奇声を発しながらエレベーターに乗り
「とうりゃ~、てめ~、きてみ~、えいや~、おうりゃ~」
などと奇声を発しながらそそくさと退散したのだった。
次の日。 昨日の今日なので生徒達の動揺を抑えようと
「まあ昨日のことやけど、
霊なんていうのは感じる人には感じるのだろうがそうでない人は・・」
「先生、おれんち、お爺ちゃん霊がいつもいはるで」
「私も昨日なんかおかしいなと感じててん」
「先生大丈夫やって」
なんや・・・そない動揺することもなく普通に受け入れていた。
どうやら一番動揺してたのは俺のようだった。
Posted by ゴッキー at 15:17