ナチュログ管理画面 釣り 釣り 近畿 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2012年01月20日

ニューヨーク物語(ノンフィクション)

私が生まれて初めての海外、ニューヨークに行った時の話しです。

当時お世話になっていた画家の先生の息子さんが
ニューヨークに住んでいるということで、
是非自分の個展はニューヨークで!と兼ねたから願ってた私は
一か月ほどお世話になることになった。

夜8時ごろJFケネディー空港に到着。
息子さんが迎えに来てくれてるてはずなので、なんの心配もしてなかったのだが
どうもまだ来てないようだった。

ニューヨーク物語(ノンフィクション)

しばらくすると、さっきまで活気があった空港内も人影もまばらになった。

すると、いきなり男2人が私に近寄ってきて、
無理やり私のカバンをもって連れて行こうとするのだ。

「な、なんや、なんや」
どうも「自分らのタクシーに乗せてやるから乗れ」と言ってるようだった。

「ノーノー友達を待っている」と必死で抵抗し、
その場はなんとかしのぎ、場所を少し移動した。
「やっぱアメリカは違うな・・・・」

そして待つ、もう2時間近くも待っているがいっこうに来ない・・・

「おかしいな?そうだ電話してみよう」と、
近くの電話ボックスに行くと、25セントコインしか使えないようだ。

25セントコインは持ってなかったので、両替しようと窓口を探したが
もうすべての窓口のシャッターはおりていた。

「まずい・・・」
予期せぬ出来事に、さっきまでウキウキだった私だったが急に不安になった。

すると、またも今度はさっきと違う2mクラスの黒人2人が近寄ってきて
カバンを奪うかのように引っ張るのだ「俺らのタクシーに乗れ」と

白タクにはボラれるし乗るなと聞いていた私は、
「ノーノーサンキュー」とまたも必死で抵抗した。

あまりにしつこいので、少しムカッとした顔で断ると
「ファックュー」みたいな捨て台詞をはいて向こうに行った。

(あかん、やばい、しまいに殺される)

まじで危険を感じた私は「こんな深夜にここにいてはまずい」と、
とりあえず空港の外に早歩きで出たのだった。

もう夜11時回っていた。

手掛かりは住所と電話番号の書かれたメモのみ。

「とりあえずニューヨークに行かないと、行けばなんとかなるやろ」

バス停らしきもの発見、なんとかニューヨーク行きのバスに乗り込んだ。

車内はガラガラだった。運転手さんになんとか両替してもらい
1時間ほどでNYのグランドセントラル駅に着いたのだった。

ニューヨーク物語(ノンフィクション)

バスから降りたそこは別世界、あまりのスケールの大きさにしばし見とれた。

と、間もなくまた一人のおじさんがニコニコしながら近づいてきて、
またもカバンを持ってあげるみたいなことを言ってきた。

まじか・・あかんこんな旅行者丸出しのカバン持ってうろうろしてたらしゃれならん。

近くに電話も見つからないので、とっさに目の前のタクシーに乗った。
住所の書いたメモを見せ「俺はここに行きたい」と言うと「お~OK!」と

イエローキャブは安全だと聞いていたので乗ってみたが、これがとんでもなかった。

エディーマーフィーにそっくりのその運転手は、

ノリのいいブルースかなにかを凄いボリュームでかけ、
ハンドルを持つ手でリズムを取りながら首を左右にふりながらの運転。

(おい、大丈夫か・・・)

ときおり、どうってことない前の車にクラクションをプップ鳴らし
「ファックューメン」みたいな台詞を投げつける

(あかん・・・どこに連れていかれるかわからん・・・)

・・・・・しかし、なぜか無事着いたのだった。ほっ


到着すると息子さんが「えっ明日と聞いていましたが、すいません」
「よく、ここまで来れましたね~」「・・・・・」

まあ、無事だったのでよしとしよう。

これから一ヶ月以上住まわせてもらう屋根裏部屋みたいな所に案内され、
14時間の飛行と思わぬアクシデントでどっと疲れた私は今日はもう寝ようとしていた。



「後藤さん、実は今日久しぶりに友人達と飲みに行くんですよ」
「みんな紹介しますし、後藤さんも行きましょうよ」

まあ少し興味もあったし、今度は皆が一緒なので安心かなと思い
「あっそうなんですか?じゃ~少しだけよろしくお願いします」

待ち合わせ場所らしき所に2人で行く途中、
「スモークスモーク」とやたら声をかけられる、「何?たばこくれ?」
「違います、あれは麻薬です。麻薬いらないか?と言ってるんです」

(恐ろしい・・・)

待ち合わせ場所、そこには日本人らしき若者達が数人いた。

美容師のたまご、絵の勉強してるもの、ファションの勉強しに来た者
ただ何かを見つけたくてレストランで働いている者

へ~意外に若い日本人達が多く頑張ってるんだな~と感心
軽い自己紹介もそこそこに飲み屋に向かった。

到着すると入り口に人だかり、何?思ってた飲み屋の印象と違うな
でかいライブハウスのような感じだ。

押し合いへし合いしながら入り口で入場券を買わされ中に入った。

薄暗い広いホール、酒の入ったグラスを手に持った男達がうじゃうじゃ
何ここ?と周りを見渡すと、
なんと、さっきまで近くにいた一緒に来た人達がいないではないか

あせって探しながら中に入って行くと、どんどん異様な雰囲気に

上半身裸の男達だらけ、身体から湯気がでていた、しかもなんか抱き合っている。
ここでようやく気付いた「ここもしかして、ゲイバー・・・」

かなりあせって男達をかき分け友人達を探すがいない。

少しでもじっとしていると、すぐに肩に手をかけられ
耳をかじってきたり、首をなめられたり・・・・

OH!NO! OH!NO!
別に感じてるわけでもないが、これしか言葉が出てこない・・・・

しかし皆いい身体だ、見事な逆三角形で筋肉隆々。
私もこの頃は30歳になったばかり、今みたいなプリンみたいな身体ではなく
そこそこしまっていたのだが負けた。

とにかく少しでもじっとしていると、2~3人の男達がからみついてくるのだ。

「やばい、どうしょう、いったい俺をおいてどこ行きよったんや」
とりあえず外に出ようと思ったが、もうどこが入り口なのか解らない・・


ふとホール中央のステージを見るとフリチンで踊ってる数人の男達。
さすがに踊っていると、からみつかれないようだったので、
とっさにその場でフリチンになりステージに上がりやみくもに踊った。

これが私の人生初の裸踊り。
私はこう見えてシャイなので未だかつてそんなことはしたことがない。

しかしこうでもしないと、その場を乗り切れなかった。

30分ほど踊ったころだろうか「後藤さん、こんなとこでなにしてるんですか?」

「お~~~~何してるて急におらんようになるし踊ってるんやんか」もう半分怒っていた。
「ここは違います、飲むところは2Fです、探してたんですよ」「・・・・・」

その話を聞いた一緒に行った人達は大笑い、「笑うな!俺はまじで死ぬかと思ったんやで」

こうして、私の初めての海外は波乱の幕開けで始ったのだった。





同じカテゴリー(笑い)の記事画像
湖西の拳
釣りにおけるよくある話
もっささ満開
踊るヒット賞
男の顔
同じカテゴリー(笑い)の記事
 湖西の拳 (2013-01-13 19:04)
 釣りにおけるよくある話 (2012-10-05 12:08)
 もっささ満開 (2012-02-24 12:12)
 ノンノノン (2011-02-14 21:06)
 踊るヒット賞 (2010-12-25 10:41)
 ジャズダンスにご用心 (2010-12-03 11:51)

Posted by ゴッキー at 20:22 │笑い

削除
ニューヨーク物語(ノンフィクション)